私がNOFL美顔器を開発した理由




株式会社西堂美容研究所 代表取締役 西堂達裕


美容機器との出会い

私はもともとグラフィックデザイナーでした。25歳のとき、日本ですでにフリーランスとしてデザインの仕事をしていましたが、ふとしたきっかけでニューヨークに行くことになりました。最初はまず1年間住んでみようと軽い気持ちで日本を後にしました。そして結果的に27年間ニューヨークに住み、デザイン事務所を構えて仕事をしてきました。ジャンルを問わず、さまざまな業種の広告主から依頼を受けて仕事をしてきましたが、その中に、とても興味をかきたてられるものがありました。それは、化粧品です。日本の大手化粧品メーカーのプロモーションツールやパッケージ、アメリカの有名化粧品会社の広告などから始まり、メイクアップアーティストブランド化粧品の日本への通販展開、化粧品やヘアケア商品の製造販売コンサルティングなど、単なるデザインの枠を超えて、アメリカと日本の美容の業界に深く関わるようになりました。そんなある日、日本の業務用美容機器メーカーからの依頼で、同社のアメリカでの商品販売プロジェクトに参加することになりました。


美容機器のことなどまったく知らなかった私は、そんなもの本当に効くのかと疑ってかかっていました。私がそれから関わることになる美容機器は、微弱電流で皮膚細胞を刺激してしわやたるみを軽減するというものです。機器本体と通電グローブをリード線でつないで、そのグローブから顔や身体に電流を流す仕組みの機器です。アメリカでも日本でも、微弱電流を使った美容機器のことをマイクロカレント美容機器と呼んでいますが、私が関わった機器は、大変微小な電流を皮膚に通電させるもので、電気を流してもほとんど何も感じません。強いていえば、目をつぶっていると、まぶたの内側でチカッチカッと電気の流れが光って見える程度です。まあ一回や二回使っても何も変わるはずがないと思いながら試してみると、予想通り鏡で見ても変化はわからないのですが、まぶたが軽くなって目が大きく開いているような感覚がありました。後でわかったことですが、写真を撮って比較してみると、まぶたも頬も腫れぼったさがなくなりすっきりしていました。たった20分使っただけでです。ただし、魔法ではないのでこの効果は何日もは続きませんが、二日に一回使っていると、はりがでて引き締まっていくのがわかります。継続的な使用が結果をキープるために必要不可欠ではありますが、なぜこの美容機器が日本の多くのエステで使われているのかがよくわかりました。

本当に効果がある美顔器

他にもマイクロカレントの効果をうたっている機器はいくつかあったので、私はそれらを入手してテストを行うことにしました。他社の製品をテストして驚いたのは、ほとんどのものがビリビリと感電している痛みがあり、とても苦痛で続けて使用できるようなものではなかったことです。マイクロカレントというくらいですから電流は微小なのでしょうが、ビリビリくる他社製品のほとんどは電圧がとても高く、10ボルト近い電圧のものも少なくありませんでした。ちなみに私が関わっていた美容機器は出力電圧が1ボルト前後です。例えば電極から直接計測する電流が1mAであっても、電圧が高ければ体内に流れる電流は大きくなります。この関係をオームの法則といいますが、電流は電圧を抵抗で割った数値なのです。人間の皮膚抵抗は湿っているときでおおよそ2000オームと言われていますから、1ボルトの機器の電流は0.5mA、10ボルトの機器はその10倍の5mAとなります。5mAの電流が流れると、人体は確実に苦痛を感じます。

さて、マイクロカレントを人体に通電するという手法ですが、もともとは医療の世界からきています。人体には生体電流という微弱な電流が流れています。その電流が身体のいろいろな部分に流されて身体が反応します。その微弱電流の中で、損傷した細胞を修復するための電流が損傷電流と呼ばれている、10〜30µAの微弱電流です。細胞は、この値の電流にのみ反応し、それより強かったり弱かったりする電流に対しては反応を示しません。その損傷電流と同等の電流を皮膚に通電させて疲弊した皮膚細胞を健康に戻すのが、私が関わっていた美容機器の効果なのだと理解できたとき、なぜ効果があるのか、その理論がはっきりとわかりました。

アメリカでのこの美容機器の販促活動を行っていたときのことです。ニューヨークのジェイコブジャヴィッツコンベンションセンターという世界有数の展示会場で催された美容展示会に我々も出展していました。何日も立ちっぱなしだった私は膝に強い痛みを覚え、まともに歩けなくなってしまいました。そんなとき、この美容機器の開発者から、電気を当ててみればと言われ、痛みがある膝に美容機器で通電してもらいました。その直後は痛みが改善されたようには思えなかったのですが、翌日になるとまったく痛みを感じなくなっていて、大変驚かされました。立ちっぱなしが原因で起きる膝の痛みというのは、膝の関節の軟骨が原因です。軟骨はコラーゲンでできていますから、そのコラーゲンが減って軟骨が弾力を失ってしまったために痛みがでていたわけです。マイクロカレントは、電流と電圧さえ正しく設定されていれば、人体のあらゆる不具合を治すことができるポテンシャルを秘めているのだと確信した瞬間でした。

アメリカの美容展示会

私はその美容機器のすばらしさをを多くの人たちに理解してもらうために、さまざまな方法で商品紹介をしました。しかし、理屈はわかっても、機器の価格が高過ぎるという反応がほとんどでした。高い技術を誇る機器ですから高価なのは当たり前かもしれませんが、もっと誰でもが手が届く価格であれば、より多くの方にそのすばらしさがわかってもらえるのにといつも感じていました。しかし日本のメーカーは個人向けのものは作っておらず、むしろ高性能な大型機器を求めていました。

大型美容機器の開発

展示会でフロリダに出張していたときのことです。私はアメリカ人の友人とホテルのバーで一杯飲みながらとめどもない話をしていました。その友人は、医療機器、通信機器、音響機器などの開発を専門とするエンジニアです。そのときに新しい美容機器の話になり、その話で盛り上がりました。残念ながら私が頭の中で描いていた小型で安い美容機器ではなく、メーカーが求めている大型の高性能美容機器です。それでも新しいものを考えるのが大好きだった私は、さまざまな斬新なアイデアを出しました。そして、私とアメリカ人のエンジニアは、日本のメーカーとともにその大型機器を実際に開発することになるのです。

エンジニアのビルと私

それから約1年後、私たちの日米混合開発チームは高性能の大型業務用美容機器を開発しました。確かに高性能ですが、取り扱うにも高度な技術が必要で、複雑なだけに障害が発生することも少なくありませんでした。何といっても価格が小型自動車くらいしますから、そう簡単には導入できません。結果として、限定生産ということになり、広く利用されることはありませんでした。ただ、その機器は今でも中古品が市場で人気があり、性能のすばらしさは認められていると判断できます。

それから数年して、私は活動の場所を日本に移動しました。アメリカのデザイン会社は社員に任せ、日本のマーケットで勝負したかったからです。言ってみれば、自分が生まれた国で、海外の経験を活かし、商品に対する評価基準が非常にシビアなマーケットで自分が考える商品を作ってみたかったからです。どこの国でもそうですが、たいした効果は期待できないのにすごく売れているという商品は存在します。日本はマスメディアやネットの口コミに動かされる傾向が強いので、その偏りは結構大きいと感じました。

日本で美容機器を開発するにあたり私が考えたことは、ただひとつです。私が体験した確実に効果を得られる技術を使い、誰でもが購入できる価格の美容機器を作ることでした。以前に開発した機器は、小型自動車ほどの価格なわけですから、それを誰でもが買える価格にすることはほぼ不可能なように見えます。しかし、絶対にそれができると信じて、私ひとりの美容機器の開発プロジェクトがスタートしました。

一般的な美顔器の仕組み

さて、少し横にそれますが、今市場に出回っている一般的な美顔器は、どういう仕組みなのかを少しご説明したいと思います。まず大きく分類すると、電気を流すものと流さないものに分かれます。ただ、中には両方のモードを備えたものもありますので、複数機能の美顔器については機能別に参考にしてください。電気を流す美顔器ですが、EMS、マイクロカレント、イオン導入および導出(クレンジング)、エレクトロポレーションなどがあります。電気を通さない美顔器は、超音波、キャビテーション、ラジオ波(RF)、スチーマー(ミスト)、温感/冷感、レーザー、フォトセラピー(フラッシュの光)、LED、ローラーなどです。

<電気を流す美顔器>

  • EMS美顔器:ビリビリくる筋肉運動。筋肉を鍛える場合は効果的。電流が強いものは顔に当てると危険。
  • マイクロカレント美顔器:微弱電流。肌にはりやツヤを与える。美顔器によって電流の差は大きく、何のためにどのくらいの電流を流すかを知る必要あり。直流か交流か、低周波か高周波かによっても効果は異なる。
  • イオン導入美顔器:美顔器のヘッドからマイナス電流を出し、マイナスイオン化した有効成分を反発させて肌に浸透させる。導入できる成分は限られ、コラーゲンやヒアルロン酸の導入は難しい。
  • イオン導出(クレンジング)美顔器:イオン導入の逆で、ヘッドでプラスの電流を出しマイナスイオン化した老廃物を吸い取る。何がイオン化できるのか、プラスとマイナスどちらなのかを知らないと、逆に押し込んでしまう場合も。
  • エレクトロポレーション美顔器:医療の技術で、強いパルス電流により表皮に穴をあけて有効成分を奥に浸透させる。非常に高度な技術の機器が必要なため、安価な美顔器は本来の効果が期待できないものも多い。

<電気を流さない美顔器>

  • 超音波美顔器:原理は高速振動。血行を良くしたり、新陳代謝の促進などマッサージ効果はあり。
  • キャビテーション美顔器:同じく高速振動。振動によって脂肪などを分解するという原理。どこまで脂肪が分解できるかは機器によって大きな差があると思われる。
  • ラジオ波(RF)美顔器:こちらもまた高速振動。振動を身体に伝えて熱を持たせる。新陳代謝の促進に効果。
  • スチーマー(ミスト)美顔器:湯気や水蒸気で肌に水分を補給する。乾燥する季節には潤い効果が期待できる。
  • 温感/冷感美顔器:美顔器のヘッドを温めたり冷やしたりして血行や新陳代謝を促進。
  • レーザー美顔器:フラクショナルレーザーと呼ばれ、皮膚に小さな穴をあけ再生させる医療技術。家庭用美顔器は穴をあけるようなことは危険でできないため刺激だけを与える。
  • フォトセラピー美顔器:フラッシュを照射しシミやそばかす、くすみを焼失させる技術。家庭用美顔器は脱毛が主で、シミなどには効果はないと思われる。
  • LED美顔器:青色は殺菌、赤色は細胞の活性を高める作用があるとされる。波長と光量は重要と思われる。
  • ローラー美顔器:マッサージ効果あり。リラックスできる。

これらの美顔器はそれぞれ違った効果があるわけですが、自分がどういう効果が得られる美顔器を使いたいかをはっきり決めてから購入されることをお薦めします。どのタイプの美顔器もそうですが、どういう仕組みでどのくらいの出力なのかをはっきり説明した製品でないと、効果はあまり期待できないかもしれません。

小型で簡単で効果的で低価格な、欲張りな美顔器の開発

話をもとに戻します。小型で片手で操作できる、効果は業務用美容機器に近い、安い、これが私が始めた美顔器開発のみっつのテーマです。何枚も何枚もスケッチを描き、その中でいいと思ったものの模型を実際に作ってみます。


模型は、動く必要がある場合はちゃんと動くように作ります。模型をいくつも作り、その中から現実的に商品化できそうなものを見つけていきます。

そんな作業を繰り返しながらNOFL美顔器の原型になる模型ができました。下の写真です。


この模型は、木材で作った本体と金属で作った電極で構成されており、サイズもほぼ完成品と同じです。これを使って使い勝手のテストを行います。計3個同じ模型を作り、エステティシャンの知人などに渡して使い勝手を見てもらいます。その結果、これでいけるとなったら、その独創性を証明するために特許の申請なども考えます。

自分ができることと協力者の助け

これからの開発行程ですが、筐体やパネルや電極などの外形デザインと、基板やソフトウエアのプログラミングなどの機能設計のふたつに分けて考えます。前者は、コストダウンと品質管理の観点から私が自分自身で行い、後者は専門性が重要なので、医療機器など精密機器の開発経験が豊富なエンジニアのビルに依頼しました。結果として、本体、操作パネル、基板、電極、その他の部品は、コストと品質を考慮しながらすべて別々に発注し、納品されたバラバラのパーツを組み立てて製品化するという行程になりました。以下に、その過程がわかる写真を掲載します。

全体のイメージスケッチ

本体と電極の構造スケッチ

プラスチック製の本体に電極を取り付けた模型

操作パネルデザイン

このようにしてだんだん現実的な模型ができていき、最終的な形に近づいていきます。基板は機能に合わせて設計し、ソフトウエアをプログラミングし、テストを繰り返して最終的な製造ラインに乗せていきます。

基板図

基板の設計やソフトウエアのプログラミングは非常に大変です。美容効果や機器の使い勝手をきちんと把握した技術者でなければほぼ不可能で、経験豊富なビルだからこそできたのだと思います。ビルは現在アメリカで、スポーツ選手が試合中に頭に受ける衝撃をリアルタイムで記録解析するシステムを開発する会社の開発担当役員をしています。このシステムの運用により、子供たちや大人のスポーツ選手が、試合中に起きた事故で障害を抱えてしまう状況を回避できるということで、とても話題になっています。

NOFL美顔器開発にあたって協力してくれたのはビルだけではありません。最後まで調整や試作で時間がかかった電極は、3Dモデリングや金属加工に精通したK氏が力を貸してくれました。何度も図面を作り、金属加工会社との打ち合せにも参加し、難しい問題の解決に協力してくれました。K氏がいなければ満足がいく電極は作れなかったと思います。

電極の3Dスケッチ

このように、NOFL美顔器は協力者の力添えがあって完成した製品です。私ひとりでは到底不可能で、だからといって委託製造してくれる会社に依頼したのでは細かいところにこだわって独創的なものを作ることが難しい。最初の計画通り、自社で一から開発することができたのは、高度な専門的知識と経験を持った二人がいたからだと感謝しています。

他にはない美顔器

このような過程で、約4年の時間をかけてNOFL美顔器は完成しました。電池で作動し片手で簡単に操作できるサイズでありながら、業務用の美容機器に勝るとも劣らない効果が期待できる美顔器です。価格も、他の家庭用美顔器と比較すると決して安くはありませんが、他にはないものをゼロから開発し、手作りの部分が多く量産してもコストが低くならないような手間と時間がかかっています。外見は今までにない画期的なデザインで、使いやすさと効果を考慮した結果です。本体は握りやすさや滑りにくさなどの機能性を重視し、医療機器のようなシンプルで清潔なイメージに仕上げてあります。また、素材は厚みが2mmのABS樹脂で非常に頑丈です。電極は取り外し式で手入れが簡単です。他にはない美顔器を作ることが目的でしたが、一度お使いいただけば、それをご理解いただけると思います。

NOFLという名前

名は体を表すと言いますが、開発コンセプトと効果が反映されている名前でありながら、簡単で覚えやすく、かつ独創的なブランド名をつけたいとずっと思っていました。しかし、なかなかいい名前が思いつきません。いよいよ時間がなくなってきたときふと、あることを思い出しました。昔アメリカで美容機器の説明会を行っていたときに、微弱電流美容機器のコンセプトを「手術をしない美容整形」と説明していたのです。英語で言うと、「nonoperative facelift」です。これを「Non-Operative Face-Lift」と分解して、それぞれの頭の文字をとると「NOFL」となります。日本語読みで「ノーフル」。簡単で覚えやすいし、これしかないと思ってブランド名をNOFLに決めました。外から力を加えて美しい肌を作るのではなく、皆さんに中から美しくなってほしいという願いも込めています。



会社概要  |  特定商取引法に基づく表記  |  個人情報保護方針/サイト規約  |  お問い合わせ

Copyright © Saido Beauty Laboratory Co., Ltd. All rights reserved.